ライバルが多いと言うことか……どうするかなぁ。教室に戻ろうとしたらオフィーリアに声をかけられた。



「あ、ジルベルト様!」
「……オフィーリア? どうしたんだい」

「ランチに行こうと思って……ジルベルト様の教室へ行ったら外に行ったと聞いたから、」
「え! 教室に来てくれたのか?」

 オフィーリアが僕を探しに?! 

「最近は教室まで迎えにきてくれるから、待っていたのだけど、来なかったから先に行ったのか、授業が押しているのかと思って……」
「すまない! 急用が出来てしまって……明日からは必ず教室へ迎えに行くから待っていてくれ」

 オフィーリアが僕の教室に! 僕がいない場合は誰かに声を掛けるという事だよな? 僕のクラスにもオフィーリアの事が可愛いと言っている子息がいた!


「ちなみに僕がいないと誰に聞いたんだい?」
「ジルベルト様のクラスに顔見知りがいるんです。アリーナという子爵家の令嬢です」

 ……アリーナ、アリーナ、誰?


「すまない。家名を聞いても良いかな?」
「アリーナ・ビアン嬢」

「……あぁ、茶色の髪の令嬢か」
「うん。ジルベルト様はクラスメイトに興味がないの?」

 クラスメイトに興味がないというか……

「……令嬢が苦手なんだ。オフィーリアは別だけど」

 あ、照れている。可愛いな……もうすぐいつものテラスに着いてしまう。このまま二人でランチを摂りたいくらいだけどそうするとフローリア嬢が五月蝿そうだ。フローリア嬢も長い付き合いでサッパリした性格をしているから問題なく付き合えるのだけど、躊躇してしまうんだよな。勝手な思い込みだけどオフィーリアは出会った時から違うと感じた。
 


「オフィーリア!」
「……? ハリー様。どうかした?」

 ハリー・グレイヴスか。オフィーリアの幼馴染とは言え気軽に呼び捨てにするのは気に入らないけど。

「久しぶりだな。同じ学園でも中々会わないもんだな。今からランチか?」

「うん」

「良かったらたまには一緒にどうだ? 話をしようと言っていたのに中々会えないから誘えなかった」

 なんだろな? 会話が上からだよな……ここで僕が婚約者ならズバッと断りを入れるんだが……本当はこの男の事をどう思っているのだろう。っていうか隣に僕がいるのに目に入ってないのか?

「お昼はお友達と摂ることにしているから遠慮するね。それにハリー様のような人と一緒にいたら目立っちゃうし」


 あっさりとしていた。なんだ、二人の関係はそんな物だったのか。深読みした自分がバカみたいだ!