領地に遊びに行く異性となれば婚約者とか家同士の繋がりがあるとかそんな感じだから躊躇するのかもしれない。でもオフィーリアもうちの領地に遊びにきていたし(お忍び)サツマイモの栽培の件で親同士交流もある。だから堂々とうちの領地にも訪れるようにと言う。町娘の服装も似合っていたけれど、お忍びで遊びに来る必要はないし、宿に泊まらずうちの邸に宿泊すれば良い。
 遠慮されたけれど、今度フローリア嬢とルシアンが来る際には邸に泊まってもらうつもりだ。

 楽しい街歩きも終わり明日からまた学園だ。


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「ジルベルト・ロワール、君に話がある。ついてきてくれ」

 ……ん? なんだ? 昼休憩の時間になりオフィーリアを迎えに行こうとしていたが同級生の子息に声をかけられ廊下を出て外に出た。するとそこには五人ほどの子息が待ちかねていた。
 

「君に言っておきたいことがある!」

 なんだ? 鬼気迫った顔をして。

「どうぞ」

 呼び出しをされる理由がないから、今の時点ではさっぱり分からない。伯爵家、子爵家の子息達だな。

「我々は入学当時からオフィーリア・カルメル嬢に好意を持っている。我々は話し合いの結果、抜け駆けなしでオフィーリア嬢を見守ってきた。なのに君はオフィーリア嬢にちょっかいをかけている。ルール違反をしているんだ、分かるか?」

 全く分からん!

「僕はそんなルールを知らないし、オフィーリアが誰と仲良くしようが君たちには関係ないじゃないか! 好きなら正々堂々とオフィーリアにアタックすれば良い」

 アタックしてない自分が言うのもなんだが……嫌われていないとは思う。


「したさ! 僕達はオフィーリア嬢の家に釣り書きを送り断られた! だから徒党を組んだ!」

 組んでどうする……徒党って。

「あの可愛い笑顔に癒され、オフィーリア嬢という存在自体に癒されているんだ。そんな中、君が隣にいると正直言って邪魔だ! フェロウズ公爵令嬢の婚約者ソレイユ殿と仲が良いからと言って調子に乗るのはやめてくれ」

「……話にならない」

 こんな奴らはライバルにもならないな。徒党だなんて……バカらしい。

「忠告したぞ! 僕達だけがオフィーリア嬢を狙っているわけではないからな!」

「忠告感謝する。頭の片隅にでも入れておくとする」