「自意識過剰なのね。イケメンだと言われて調子にのっているのかしら? オフィーリアが可愛く成長したものだから惜しくなったんじゃなくて? 顔がいいだけで中身が空っぽじゃ残念だわ」


 フローリア様? 性格が変わってない?

「あぁ、ごめん。驚いたか? フローリアは男の中で育ってきているから男勝りなところがあるんだよ。最近は落ち着いてきてたんだけどなぁ。異性に対して目が厳しいんだ。フローリアの嫌いなタイプだったんだな」

「あら。ごめんなさい。出ちゃったわ、こんな私は嫌かしら?」

「いいえ。フローリア様の良いところをたくさん知っていますからフローリア様はフローリア様ですよ」

「……持ち帰りたいくらいの可愛さだわ。私が男なら惚れてるわ……オフィーリア、良かったらうちのお兄様と、」
「フローリア嬢!」

「あら、おほほほほ。失言しそうになったわ! オフィーリア。スイーツをとってきましょう! チーズケーキも美味しそうよ」

 再びスイーツを堪能することになった。


 

「え? 一番好きなスイーツですか?」

 うーん。難しい。

「あ、私のうちの領地にあるジェラート屋さんのミルクジェラートが一番かもしれません。一日に何個も食べて怒られたこともある程に美味しいんですよ! スイーツの中ではジェラートが一番ですね」

「そんなに美味しいのなら一度食べてみたいな」

 ジルベルト様の領地とは近いから可能ではある。

「はい、是非いらしてください。あ、ジルベルト様の家の領地にあるジェラート屋さんでサツマイモジェラートを食べましたが美味しかったです! サツマイモを焼いて冷やしてその上にミルクジェラートを乗せたら美味しいかも! しっとり系のスイーツに生まれ変わりそう」
 
「悪くないね。共同でレシピを作ろうか?」
「単なる案ですからジルベルト様にお渡ししますよ」

「それじゃぁ意味がない」
「? なぜですか」

「オフィーリアと何かをした、という証が欲しい」
「……はい」



 胸がドキドキする。なんでだろ。ジルベルト様はご自分の顔が嫌いだと言ったけれど、あの時のあの男の子がこんなに立派になって……

 今日はジルベルト様といると調子が狂ってしまう。はぁっ……ドレスを着る為に胸や腰を締め付けすぎたせいかかもしれないと思いスイーツを食べる手を止めた。