あの時リューは傷ついていたのね。それを聞いてリューを抱きしめた。

「リュー!」
「またかっ! バカ! 離れろ。苦しい」

「あらぁ、本当に仲良しよねぇ、うちの子達」
「リューは本当にフィーが好きだよなぁ。わかったよ。フィーと仲良くなれそうな令嬢が良いんだね」

「私もリューが好きよ」

 そして頭をペシっと叩かれた。

「息苦しいだろうが! 窒息させる気か! 胸を押し付けて来るな!」

 この邪魔な胸がリューを押し付けたのね。

「そんなつもりはないのだけど、気をつけるね」

 家にいる時は楽な服で胸を抑えつけてないから……制服を着る時はギュッと締め付けられて食べる量が減った。そしたらルシアン様に体調でも悪いのか? なんて聞かれる有様。苦しいのですよ! なんて言えないから控えてます。って嘘をついた。

「フィー、来週のドレスは大丈夫なの? 着られないって事ないわよね?」

 お母様まで!

「そこまで太っていませんよ!」

 ダンスの練習で汗をかいているから太ってはない! 練習相手はリューと先生。タイプの違う相手との練習も大事だものね! そういえば先生は近々領地に行って土づくりをするんですって。私の勉強どうするのよ……

「ロワール伯爵子息がパートナーなんだって?」

「うん。学園のパーティーとはいえ、パートナーいた方が良いんだよね?」

「そりゃそうだ! 知らない子息について行かないこと! ロワール子息にくれぐれも頼む。と伝えてもらおう」

「ジルベルト様がパートナーで良かった。いなかったらフローリア様のお兄様に頼まれるところだったもん。それは困るよねぇ」

 公爵子息とダンスパーティだなんて息が詰まるし何を着ていけば良いのか分からないし、居心地が悪いわ。
 

「……………………」
「のんびりさせすぎたわ」
「はぁっ」

 またいつもの?!

 ******

 ~オフィーリア両親~

「縁談の話はどうなりましたの?」
「まだ未成年だからと断っている」

「お茶会に行ったら会うだけでも。って子息の釣書を渡されるのよね……面倒なのはうちより上の家の方」
「私も会うだけでもと言われた」
 
「実はソレイユ侯爵夫人とお会いしてお話をさせてもらったの」
「フィーが親しくさせてもらっているからかい?」
 
「縁談の話を断りたかったら力になってくれるそうなの。子息の婚約者はフェロウズ公爵のフローリア嬢ですから。こうなった原因はフローリア嬢のお兄様にあると言って、責任を取るみたいなことを言っているらしくて……そういう事なのかしら。怖くて聞けなくて……」
「うちの子。気になる子息とかいないのか? 公爵家なんてうちとは釣り合わないよ。苦労するだけだ」

 二人で首を傾げ、考えた結果ため息を吐いた。

「「はぁっー」」