「オフィーリア様。ようこそ」
「ご招待いただきありがとうございます。失礼じゃなかったらこれを……」
お土産を渡した。
「まぁ、何かしら?」
「少し変わったケーキをお持ちしました」
その後フローリア様はお皿に並べるようにとメイドさんに渡していた。それからガーデンに案内されて……
「わぁ。ステキです。これは……お花ですか?」
風にそよそよと靡いて美しい。ピンクのお花が垂れ下がった枝から無数に咲いていた!
「東洋より持ってこられたサクラというお花の一種なの。この時期にしか咲かないからガーデンティーパーティーをしたくなるの。お母様もお友達と過ごしたくてこの時期はお客様が多いの」
初めて見た。これがサクラか……さすが公爵家だわ。東洋と聞けばオリエンタルな空間に思えるから不思議。
席に案内されるとそこには学年一位の侯爵家令息の姿が!
「ルシアン、彼女のこと知ってる?」
「ん? 確か……癒し系とかなんとか、」
「はぁっ。本当に人に興味がないのだから……彼女は私の友人でオフィーリア・カルメル伯爵令嬢よ」
友人って紹介された、良いのかな。
「カルメル伯爵令嬢か。僕はルシアン・ソレイユ。先日の茶会にいたんだよね」
最後は取ってつけたかのような感じだった。フローリア様がいう通り興味がないのでしょう。話したことはないけれど同じ空間にいたのは確かだ。
「始めまして。とご挨拶すれば間違いないですね。先日のお茶会でフローリア様と席が隣になった縁でお誘いいただきました。オフィーリア・カルメルと申します」
「あぁ、すまない。興味のない人の顔を覚えるのが苦手なんだ」
天才にも苦手があるんだ。
「挨拶も終わったから座りましょう。もう一人いるのだけれど……後からで良いわ」