オフィーリアは領地へ行く事になる。二歳下に弟がいて名前はアンドリューと言う。アンドリューは気管が弱く、よく咳をする。酷い時は咳で眠れなくなる事もあるようだ。
「アンドリューの身体のためにも領地で休養しようと思っているの。オフィーリアあなたはどうする?」
お母様とお父様に聞かれて、返事をする。
「行くっ!」
先日のハリーの一件で暫く会いたく無いと思っていたのだが、母親たちのお茶会には普段通りハリーが何食わぬ顔でやってくる。ハリーの顔を見るたびになんで好きだったんだろうか……と反省せざるを得ない。
私たちはまだ子供だし、幼馴染と言っても良い間柄だし親も同伴だから問題ないのかもしれないが、変な噂を立てられても困るもの。ハリーがどうでも良い男だと知った今、私の大事な時間をハリーと過ごすために使いたく無い。というのが本音。
ハリーが来たら会わなくちゃいけないでしょう? 会わないのも不自然だし。だから領地へ行くか? と聞かれたらそれはもちろん行く! の一択だった。
「お姉様も一緒に領地へ来てくれるの?」
アンドリューはコホコホと咳をしている。
「えぇ、行くわよ。リューが居ないと寂しいもの。一緒に領地へ行って健康を取り戻しましょうね。領地は空気もいいし、食べ物も美味しいもの。本邸の皆もきっと喜んで迎えてくれるわよ」