先生は植物学者で、庭師のおじいさんに頼んで庭の一角でサツマイモを作り始めたの! まだお芋は小さいし良い出来ではないようだけど、それなら手を加えて美味しいスイーツにしてみせよう! と学者魂に火がついたようであの手、この手をつかって? 美味しいスイーツが出来たようだ。ただサツマイモが足りなくなって例の町から買ってきたとか?

 そういえば、あの町は隣のクラスにいる伯爵令息の家の領地らしい。隣のクラスといっても向かい合う建物に教室があるから、隣のクラスの子息までは分からない。


「先生、研究の成果が出ないからってスイーツ作りの研究に置き換えなくても……」

「……違いますよ。サツマイモの研究です。どうすれば見た目がよく美味しくなるかという研究です」

 リューと先生の会話を聞いていたら、先生も疲れているんだわと思い、先生の為にも良い成績を取ってあげないと……成績アップしたら先生にボーナスをあげるようにお父様に頼んでみよう。


 そしてコレ(サツマイモ)がきっかけで、私の友人関係が変わることになるとは思わなかったのだけど……
 


 テストも無事にすみ、私の成績は上の中の下? という成績だった。頑張ったわ! 成績上位者はご褒美の交流会があって、私の隣には噂の公爵令嬢フローリア様が! ……緊張する! あ、目が合ってしまった!

「カルメル伯爵令嬢でしたわね? わたくしフローリア・フェロウズと申します」

 はわわわわ……ご挨拶をしていただけました!


「ご、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。オフィーリア・カルメルと申します」

 緊張して噛んでしまった! フェロウズ公爵令嬢……美しすぎて同じ生き物とは思えない。尊い。


「まぁ。そんなに緊張なさらないで。こちらが恐縮してしまいますわ」

 くすくすと笑うお顔も美しい……尊い。

「フェロウズ公爵令嬢が美しすぎて……」

 さすが都会の令嬢のレベルは違う。雲泥の差を感じる。


「嬉しい事を仰るけれど、カルメル伯爵令嬢はとても柔らかい雰囲気で可愛らしいのね……オフィーリア様とお呼びしても?」
「はい、喜んで!」

 え! フローリア様とお呼びしても良いの! なんということでしょう! お近づきになれた? リューの言う通り成績は上の中が正解なんだ。