「元気だったか? この前母に会ったんだって?」

「えぇ。夫人も元気そうでしたね」

 ん? 確か母のことはおばさまと呼んでいたはずだ。俺のことも呼び捨てだったのになんだか余所余所しい。


「またうちの家族も交えて食事でもしないか? オフィーリアとアンドリューが帰ってきた祝いに」

 喜んで受け入れてくれるだろう。家族ぐるみの仲だったんだし。クラスの友人達にも仲が良かったところを見せないと、示しがつかない。

「お気遣いありがとうございます。まだ慣れぬ校舎ですし少し急いでいますので失礼しますね」

 オフィーリアは俺の友人に微笑み会釈して行ってしまった。思っていた会話とは程遠い……




「久しぶりだとあれだな。オフィーリアは緊張していたのかもしれない」

「数年ぶりに会うんだもんな、しょうがないさ。また機会があったら紹介してくれよ!」

「あ、あぁ。そうだな」

「近くで見ても可愛かったな。柔らかそうな雰囲気だ」

 子息達が盛り上がっていた。確かに可愛かった。