そうなんだ。ジルベルト様はどこで鍛えているのか分からないけれど筋肉がしっかり付いているんだよね。腕も硬いし余計なお肉は付いてないって感じ。町の人も逞しい人が多く見られるし、みなさん働き者だし自警団もあって領民皆が、町を愛し守っている事がよく分かる。


「ジルベルト様、私ね、この町が更に好きになったみたい」
「そう? それは良かった。領民もみんなオフィーリアを歓迎しているよ。さて……と、今から忙しくなるから頑張ってね!」

 屋敷に着いた瞬間にメイドさん達に湯浴みをされて磨かれた! そんなに汗臭かった? それは恥ずかしいわ。そして体を磨かれて部屋に連れて行かれるとフローリア様が待っていた。

「フローリア様。あの、その、お見苦しい姿を……」

 バスローブ姿だし!
 
「さぁ! 皆やるわよ!」
「「「「「はーい」」」」」

「? な、何を……って、きゃぁぁぁ」

 髪の毛をふわふわに巻かれ、ゆるふわな白とピンクのドレスに着替えさせられた。ゆるふわドレスなのにコルセットをこれでもかと! と締められた。苦しいよぉ。粉をはたかれ、薄いピンクのリップを塗られ、控えめな首飾りとイヤリングを付けられ、完成! っと声が掛かった。

「……これは可愛いわ。最高の出来ね」
「お嬢様。すごーく可愛いです」
「女神様のようですわ」
「妖精さんですわ。軽やかですもの」

「これは、何ですか? このドレスは、」
「ふふっ。皆まで言うな、オフィーリア! このドレスは私のデザインよ。この花まつりの最大の目玉! パレードの主役はオフィーリアよ!」

「へ?」

「この日のために打ち合わせを何度もしたわ。ジルが五月蝿くて……なんなのアイツ! 肌の出し過ぎだとか、胸元が……背中が……って丈はくるぶしが限界とか……なんなの。オシャレが分かってないんだから! 無理難題をクリアして出来たドレスがこれよ!」

「フローリア様、まずはありがとうございます? それと花まつりのパレードって……」
「私が説明するよりジルに説明してもらいましょうか」

 中庭に連れ出されるとジルベルト様が待っていた。ジルベルト様の服装もステキ……白が凄く似合う。ん? 私よりキレイなんじゃないかしら。

「……これは、」
「あらら、ジルが言葉を失っているわ。仕方がないわね。ルシアン代わりに感想を」