「オフィーリア、領地に帰るんだよね?」
「うん」
来月から長期休みに入る。花まつりに誘われたから行く予定だけどその前に領地に帰ることになった。
「花まつり前日夕方になったら来てほしい」
「準備も見てみたいからもっと早くに行っても良い?」
叶うことならお手伝いもしたいな。おまつりの裏側も見たい。
「……それは、結婚してからにしようか」
「え! あ、うん、わ、わかった」
結婚してから……結婚してからじゃないと内側は見せられないという事かも。門外不出のナニカがあるのかも?! それなら無理は言えない。まだ私はロワール家にとって身内じゃないって事か。ちょっとしゅん……となる。
「ごめんねオフィーリア。でも楽しみにしてて」
「うん」
花まつりには家族で招待された。ロワール領のお屋敷に宿泊して、花まつりが終わってからはジルベルト様をうちの領地に招待してそのまま一緒に王都の屋敷に帰る予定なの。フローリア様やルシアン様も花まつりを見に来るのだそうです。観光としても人気になってきているから年々人が増えていると聞いた。
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「着々と準備が進んでいるね。綺麗だね」
「今年からは前夜祭をするんだよね。ステンドグラスのランプが並んでる」
「フィー、迷惑をかけてはいけないよ」
「邪魔をしたり、はしゃがないでね……」
……うちの家族って酷いわ。