「ううん。気にしないで」

「そう? スザンナ嬢も付き合って貰ったみたいで悪かった。婚約者殿は良いの?」

 オフィーリアの婚約者として笑顔でスザンナ嬢に言う。

「図書館で本を読んでいるそうなので、そちらで待ち合わせしていますのでお気になさらずに」

 オフィーリアとスザンナ嬢を図書館に送ってから一緒に馬車に乗った。オフィーリアの家に着き伯爵の帰りを待ち、今日のことを報告した。

 

「恐ろしいね、君は……でもハリーの為でもあるからそこは目を瞑ろう」

「オフィーリアには内緒にしてくださいね。僕としては負けるつもりはないのですが、オフィーリアにバレた時のことを思うと胸が痛いのですよ」

 伯爵は苦笑いをしていた。こっちも一件落着だな。