「ジルベルト様、隠している事あるよねっ!」

 腰に手を当てて仁王立ちするオフィーリア。そんなに怒った顔をしても可愛いだけだ。

「え! ないよ」

 まさか決闘がバレた……とか? 誰か口を滑らせやがったか?

「ジルベルト様はすっごくモテるんでしょ! 令嬢に告白されたって聞いたよ」
「え! 誰から?!」

 フローリア嬢やルシアンには口止めをしているし、告白されても迷惑なだけだと知っているから分かっている。と口を揃えていた。

「スザンナから聞いたの。心配してくれて……それで」
「不安になった……とか?」

 それなら嬉しいと思ってしまう。僕にとって令嬢達に告白されるというのは神経をすり減らされる。オフィーリアを心配させたくない。という気持ちが余計心配させたのかもしれない。僕の口からではなくてスザンナ嬢から聞くんだもんな、隠している。と言われれば隠し事になるのか。それは良くない!

「……うん、だってジルベルト様は素敵だもん」

 口を尖らせる姿も可愛い。