「ロワール様、お慕いしています」

 昼休憩にオフィーリアを迎えに行こうとしたら急に声をかけられ、手紙を渡された。

「あ、結構です。僕には婚約者がいるので、失礼」

 他に生徒がいたけれど、僕にはオフィーリアという可愛い婚約者がいる。婚約者がいるのに手紙を渡してこようなど言語道断。

 ランチタイムはオフィーリアで癒された。我が家のシェフがオフィーリアの好きなレモンを使ったクッキーを持たせてくれてオフィーリアがクッキーを美味しそうに食べていた。ついでにルシアンとフローリア嬢も美味しいと言っていた。

 午後の授業も終わり、オフィーリアを迎えに行こうとした。すると……

「ロワール様、じつは以前から私はロワール様の事を、」

 と言って抱きついて来ようとした! なんなんだこの非常識な令嬢は! そう思い体を翻すと当てが外れた令嬢は壁にダイブしていたが無事のようだ。

「君は一体……」
「酷いわ……私は以前からロワール様の事を好きでしたの。内緒でも良いので付き合ってください!」

 内緒って……バカなのか?

「あり得ません。僕には婚約者がいるので他を当たってください」

 昼よりも丁寧に断ることが出来たな。なんなんだよ、一体……はやくオフィーリアに会いたい!

 

 次の日オフィーリアを迎えに行き、後ろ髪を引かれる思いで教室まで送り自分の教室へ行く。すると机の中には何やら封筒が入っていた。宛名は僕の名前だ。
 
 “放課後、裏庭で待つ”