コンビニってそう遠くないから、すぐ帰ってくるはずだけど……。
そんなことを考えていたら、玄関のドアが開く音がした。
直後、ばたばたと階段を駆け上がってくる音が聞こえて、ふふっと笑ってしまう。




「なぎさっ、大丈夫?」


「……うん、平気」




熱のせいで一言一言喋るのにも息切れして大変。
聖里くんはベッドの横に座って買ってきたものを広げて見せてくれた。





「とりあえず冷えピタはるよ」


「うん」





ひんやりとした冷たいのがおでこにあたって、思わず「つめたっ」と声を上げると「我慢しなさい」と怒られた。





「あと、これスポドリね。のどかわいたら飲んで」


「ありがとう……」


「じゃあおかゆ作ってくるから」


「うん」





聖里くんがあわただしく部屋を出て行ったあと、わたしは体を起こしてスポドリの蓋をあけた。
たかが一人の同居人のためだけにあそこまで真剣になってくれて、ありがたいな……。



元気になったら、また改めてお礼しなくちゃ。
外食とかおごったり、プレゼント渡したりね。




しんどくて目をつぶっていたら、しばらくして聖里くんが戻ってきた。