さいあく。
最近体調崩してなかったのに、久々すぎて余計だるく感じる。
でも熱しか症状ないし、不幸中の幸いってところかな。
「部屋で休んどきな。コンビニでなんか買ってくるし、欲しいもんあったら言って」
「……ん、とくには……でも、おかゆたべたい」
「任せて。……じゃあ、ちゃんと休んどくんだよ」
「はい……」
聖里くんが家を出て行ったのを確認して、わたしはおぼつかない足元で階段を上った。
同居開始四日目にして風邪をひいてしまうなんて……。
わたしって人に迷惑かけてばっかだなあ。
「あー……」
部屋についてすぐベッドに倒れこみ、仰向けになってうなり声を出してみた。
少しでも顔の熱、逃げるかと思って。
……聖里くん、はやく帰ってこないかな。
風邪ひいたときに一人になるのって、こんなに寂しいものだっけ。
ここ数年は病気をしてもしいちゃんは家にいないことのほうが多かったから、ただ一人でいるときに勝手に風邪になってそのまま一人で寝てただけだったから気になんなかったけど。
いまは、二人でいるときに風邪をひいて急に一人にされたもんだから、より一層寂しく感じるんだ。