翌日の朝。
妙な倦怠感で目が覚めた。




「ん……」




昨日、あのあと聖里くんが持ってきてくれたココアを飲んで、眠たくなって、そのまま寝て……。
スマホで時計を確認したらまだ四時だった。




寝るのが早すぎたから早く目が覚めたのか。
とりあえずなんか体だるいし、下に降りて体温はかろう……。




そう思いながらリビングに降りてきたはいいものの、体温計の場所わかんないや。
あちこち漁って探し回っていると、物音で起こしてしまったのか聖里くんがリビングに入ってきた。




「おはよ、聖里くん」


「うん……おはよ、早起きだね」





そうか、家主に聞けばいちばん手っ取り早いな。
ナイスタイミング。





「体だるくて。体温計どこ?」


「え、まじ? えっと……」





さっと棚から体温計を取り出してわたしに渡したあと、ぴたっとおでこに手を当ててきた。
……な、なんでさらっとそういうことするかなあ?



これがモテ男の余裕ってわけか……。





「んー、どう考えても熱あるよな……昨日のあれで風邪ひいたか」





わたしはすっと脇に体温計を挟んで計測が終わるのを待つ。
ピピピ、という音とともに取り出した体温計には……。





「38度……」


「学校は行かないほうがいいな」


「うん」