結局、家についたころには全身びしょ濡れで、制服のシャツどころかスカートまで体に張り付いて気持ち悪かった。
中に入るまえにスカートやシャツの水気をしぼって、ドアを開ける。
「なぎさ、おかえ……っ」
慌てた様子で迎えてくれた聖里くんは、なぜかすぐに顔を赤くしてそらしてしまった。
いやまあ、こんな濡れた状態で入ってきたらびっくりするだろうけど……。
「……めちゃくちゃ透けてる」
「……あ、え」
そ、そういうこと……っ!?
逆になんで自分で気づかなかったんだ……?
とんでもない大失態だよ、普通に……!
「タオル持ってくるから待ってて」
「う、うん」
どうしよ、なんか気まずい……。
聖里くんが戻ってくるまでの間、わたしはずっとそわそわしていた。
「はい、これ」
帰ってきた聖里くんはタオルをわたしに頭からかぶせてわしゃわしゃと拭いたあと、透けた下着が見えないようにわたしの体にタオルをかける。
「……誘ってんのかと思った」
「えっ」
なんて耳元で言われてしまったあかつきには、わたしの顔は耳まで熱を持っていることが明白だった。
誘ってるって……それ、どういう意味ですかね……。
「はやくお風呂入ってきな」
「う、うんっ……」
意味深な言葉だけ残して放置プレイですか……?
気になったけど、わたしはそれ以上に恥ずかしくてどうにかなりそうだったのでさっさとお風呂場に走った。