「正直折田さんのこと呼び出したい子なんていっぱいいると思うよ」
「だからあたしたちが代表になって聞いてあげてるの」
気になる、よね。
相手がわたしともなれば。
これがめちゃくちゃモテるかわいい子とかだったら、『えー、二人って付き合ってるのかなー？』『お似合いだよねーっ』で終わる話だし。
こうなってるのって、紛れもなく、わたしと聖里くんが釣り合ってないからだよなあ。
「そう、ですか……」
「だからね。榛名くんのことなんとも思ってないなら、手引いてほしいなって」
「できるよね？ 彼女ってわけでもないんだし」
圧を感じる笑顔に、肯定しか許さない空気感。
手を引くもなにも、わたしは聖里くんのことを狙ってるわけでもない。
勝手に被害妄想してわたしを悪者に仕立て上げて、それってあなたたちが悪役じゃないですか。
「はいはーい、ストップ」
突如聞こえた声に、わたしの目の前で威勢よく話していた女子がうろたえるのが見えた。
なんで……松野くんが助けてくれるの。
「ま、松野くん……っ」
「なんで……？」
松野くんはわたしの腕を引っ張って、自分の後ろに隠す。
へなへなと座り込んだわたしは、想像以上に自分がおびえていたことに気づいた。
