「単刀直入に聞くけど、折田さんって榛名くんの何?」
本当にいきなり、だなあ。
そりゃそうか。それが目的なんだろうし。
連れてこられた誰も通らない階段の下の空間は、冷えた風が肌をかする。
何、って聞かれましても……。
この前から同居をはじめたばかりの、ただの顔見知りですけど。
……なんて、言えるわけなくて。
「……その、たまたまだと、思います」
「は? たまたま?」
「なにそれ、体育の時間のこと言ってんの?」
ミスった! 地雷踏んだかも。
たまたまっていうか、榛名くんがわざわざわたしのスポドリを飲みに来た理由を本人から聞いて、確実な答えを知ってしまっているからこそ言い訳が難しいんだけど……!
「んなわけないじゃん。だって、榛名くんはアンタ目指して一直線に歩いてたし」
「……い、いや、たまたまじゃなくて、」
「てか榛名くんとの関係を教えろって言ってんだけど」
常に喧嘩腰だ、このひとたち。
わたしはどうやら相当な恨みを買っていたみたいで……。
「ただの顔見知り……」
「それなのにわざわざあんたのとこにねえ」
結局その話題にもどってくるんじゃん! なんだよ!
あれかも、この人たち、榛名くんと付き合ってますって吐かせたいだけなのかも。
とはいえ、そんなこと言ったらもう学校にこれなくなりそうだし、普通に嘘ついたことになるし、言えないけど。