特に目的もなくふらついていたら、突然なぎさが立ち止まった。
……アクセサリーショップか。
女子が好きそうなネックレスやらリング、ピアスなどがキラキラと光っている。
「ほしいの?」
「う、うん……そういえばわたし、アクセサリーとかしないなって」
俺の顔を申し訳なそうに見上げて、「見てってもいい?」ってさ。
今日の主導権はなぎさにあるんだから、そんな顔しないで。
「わあ、綺麗……」
商品に夢中になっているなぎさを置いて、俺は最初になぎさが釘付けになっていたネックレスを迷わず手に取った。
びっくりするよな。
普段、特に何にもやる気はないのに、なぎさのことになると真っ先に体が動く。
すぐにお会計を済まして、なぎさの元へ戻ると、彼女はシルバーリングに目を輝かせていた。
ふーん……指輪、ね?
俺は買ったばかりのネックレスを、後ろからなぎさの首にかけた。
急に冷たいものが当たって「ひゃっ」と驚くなぎさに「じっとしてて」って声をかける。