「やっぱりかあ」


「……いや、なんで」



「お姉ちゃんに隠し事とか、むだむだぁー」






伸ばした語尾が絶妙にうざい。
そんな幸せオーラ顔から出てた……?





「相手はやっぱり同居相手の子?」


「……うん」



「いいねえ。青春だなあ」





むしろそれしかないよね。
この一か月、わたしが誰かと付き合うとしたら……。



有馬くんには申し訳ないけど、聖里くんしかありえなかったんだろうなって思う。





「また連れてきてね」


「うん」



「ふふ、楽しみ」





うれしそう。
わたしに彼氏ができるなんて、はじめてだもんね。



……恋人ができたら、こんなにはやく家族にバレるものなの?




そう考えたらすごく恐ろしい。
そのうちどこまで進んだ? とか聞かれそう。




……ど、どこまでって。
まってよ? キスより先のこと?





わたし、なんてこと考えて……っ





「なぎちゃん? 顔真っ赤だけど……」


「ちょっ、ちょっと休んでくる……!」




頭冷やそう!
こんな不純なの、ダメだよ。
きっと聖里くんはそんなこと……望んでないよね……?