「さすが学年一位の天才……。」



天才?私は天才なんかじゃない。勉強ばかりさせられてきただけ。



「俺明日から学校勉強しろって言われたんだけどさ、唯花も来てくれるんでしょ!?」

「てか私が頼まれたの。担任に」

「あー、俺が唯花としかやらないって駄々こねたからだ!」



満面の笑みで言うな。

怜央は小さいときから変わってないな……。天真爛漫なこの姿に、私がどれだけ憧れたことか。



「あっ、じゃそろそろ帰るわ!唯花また明日ねー!!」

「はいはい、また明日」



そう言って怜央は帰っていった。私も帰るか、と荷物を持つと、クラスメイトたちが近付いてきた。



「渡辺さんって、日向くんとどんな関係なの!?」

「日向くんがあんなに懐くなんて……何があったのー!?」



あぁ……うるさいなぁ。

そんなに私と怜央の関係が知りたければ、怜央に聞けばいいのに。その方が会話も続くし、お互い楽しく過ごせるはずなのに。