「実は俺も……ずっと唯花が好きだった。小さい頃からずっと。」
え、うそ!?怜央が今までそんなそぶりを見せたことは一回もなかったのに……。
怜央は、私が好き。じゃあ私は……。
「怜央、私まだ好きってどういう感情かわかんない。」
「えっ……」
「だからさ、教えてよ怜央が。好きってどういうことなのかちゃんと。」
夏休みは始まったばかりだし。私と怜央は毎日二人きりで勉強してるし。
それに、私はもうすでに好きって感情を知ってるんだと思う。今怜央に抱いている好意がきっと、好きってことなんだ。
「……わかった!ただし、好きを見つけるの、俺以外とはだめだよ?」
「わかってるって」
私たちはその日、鮮やかに散る花火の下で、約束を交わした。