でも、目の前でどんどん人が倒れていく様子に、さすがに止めなきゃと思った。
「待って怜央」
そう言って怜央の腕に抱きつく。
ほんとは違うところで使うテクらしいけど、怜央を止めるためにもこの際使ってしまう。
「さすがにやりすぎだよ、この人たちも怜央が強いのは十分わかっただろうし、そろそろ花火もあがるから移動しよ?」
「……ごめん唯花、ついかっとなっちゃって……。花火見に行こ!」
よかった、わかってくれたみたい……。
そして怜央がついさっき発見したらしい穴場スポットへ向かった。
「それにしても怜央、なんであんなに怒ってたの?」
「それは……だって……、唯花がかわいいからナンパされてたんだもん」
「それでお得意の柔道を披露したのかーそっかー」
「ねえ棒読みやめて!……嫉妬したの!」
……っえ?怜央が嫉妬……??
私がナンパされてたから……?