どうやら担任は、私に幼なじみの日向怜央の面倒を見させる気らしい。しかも夏休み期間に。



「先生、それって私じゃなきゃいけませんか?」

「日向本人が、渡辺とじゃないとやらないと言ってきかないんだ……。」

「えぇ……」



怜央め、何を企んでいるんだろう。

私と怜央は幼なじみということもあって仲が良かったけど、中学生、高校生となると勉強ばかりしていた私と遊びまくっていた怜央とは離れていった。

その怜央とこんなところでまた繋がりをもつとは思ってなかった……。

高校では更に友達も沢山つくって、放課後は毎日のように遊びに行っていたからこうなるんだ。



「な?渡辺、お願いできないか??これも内申点に繋がるから……。」

「やります」



来年には受験を控えている私には、内申点が必要。教える相手も見知らぬ人間ではないし、どうせ夏休みも勉強する予定だったので了承した。