怜央が私に気付いていないようなので、私から声をかけた。



「怜央、待ち合わせしてるのになんで気付いてないの」

「えっ……唯花!?」

「そうだけどなんか不都合でも?」

「いや、ないけど……。」



そして怜央は急に黙ってしまった。

私としては何か喋ってもらいたい。



「今日の唯花なんかめっちゃ、かわいい……。」

「っ!!?」



それは反則じゃないですか怜央さんっ……!!

お姉ちゃんからいろいろ言われたせいで、心の底では意識してしまう。



「よし、じゃあ会場向かうか」



あっ、今こそお姉ちゃんに言われたことを実践するとき!

私は歩き出した怜央の手をさりげなく繋いだ……つもりだ。

うまくできてるのかな……?



「はぐれちゃうから」

「は、はいっ……」



終始怜央の顔が真っ赤だ。これだけで照れるのが普通……?まあ私もだいぶ緊張してるし、そういうもんか。