お姉ちゃんは浴衣の着付けまでマスタ―してて、きれいに仕上げてくれた。

そしてしばらくお姉ちゃんにいろいろしてもらった後、鏡を見た私に衝撃が走った。

誰、これ……!?



「うっわえぐかわいい!さすがあたしの妹!これで怜央もすぐ落ちるな……」

「お姉ちゃんこれ私じゃないよ、なんかもう……別人だもん」

「あんたにはそれだけの素質があるってことよ!ほら自信もって!」



自信をもてと言われても……。

お姉ちゃんが丁寧に仕込んでくれたおかげで、私が私じゃなくなった。今の私から地味で真面目な渡辺唯花は消え去ったようにも感じた。

怜央、なんて言うかな……?

……違う違う、私は別に怜央のことなんか……。



「今も考えてるんでしょ、怜央のこと」

「ふえっ!!?」



しまった、変な声が……。



「顔に出てるもん、唯花は。それは恋する乙女の表情だぞー」

「え、あ……いや…………」