怜央って、こんなこと言うっけ……??

私の記憶の限り、幼き日の怜央は年相応にやんちゃで、俺に勝てる者はいない!みたいなことを言うような子供だった。

人のこと気遣えるようになったんだ、いつの間にか。人間性が成長したな……。

……って、感心してる場合じゃなかった。



「うん、じゃあ……どっかで待ち合わせして行く?」

「花火大会当日、6時に市民会館の前!」

「でも私、怜央が絡むような人たちと話せる気がしないし、むしろ場の空気悪くしちゃうかも……」

「大丈夫だよ、俺と唯花二人だけだから。てか、唯花じゃないとやだ」



うわ、さすがモテる奴は違うな。幼なじみさえ口説いてるように聞こえる……。

そして私の頭の中では、二人きりで花火大会ということに困惑していた。

二人きりなのは教室で勉強するのと変わらないけど、花火大会は勉強が絡んでないし、私の経験不足でテンパりそう……。