うつらうつら微睡んでいると、パタパタと軽い足音が響いてくる。

「おいこらー!ガキども〜アリシアが休んでんだ。あんま暴れんなよ」

おばあさまの叱責もなんのその、ひとりはこちらへ駆け寄ってきた。

(あ……そういえばおばあさまの本当のお孫さんが来てるんだっけ?)

ちゃんと挨拶しないとな…と、気合いを入れて身体を起こすけど、めまいがして頭がぐらりと揺れてしまう。

「あらあら〜」

とっさにあたしの身体を支えてくれたのは、9歳くらいの女の子。見事なプラチナブロンドと水色の瞳で、ピンク色のワンピースがよく似合う愛くるしい美少女だった。

「あらあら〜大丈夫ですか〜?」

なんだかのんびりした喋り方をする子だなあ、と思いながら、すぐにお礼を言っておく。

「ありがとう。ちょっと体調が悪くて…おかげで助かりました…」
「どういたしまして〜あのまま落ちたら大変なことになってましたものね」

女の子はなぜかあたしのお腹にそっと手を当てると、とんでもないことを言い放つ。

「ここに、新しい光を感じますわ〜アリシアお姉様、新しい生命が宿っていますわね〜おめでたいことです」
「……は?」
「あ、申し遅れました。わたくし、ソニア・フォン・ターナーと申します。アリスティアお祖母様の娘のジョセフィーヌの長女で、魔術師兼竜騎士を目指してますの〜」

ソニア、と名乗った義理の従姉妹は……とんでもなくぶっ飛んだ性格でした。