あの夢を見た日から、私はいつも心のどこかで「誰

か」を探している。夢の中の「誰か」はどれだけ目

を凝らしても、モザイクがかかっているみたいにぼ

やけて誰だか分からない。なのに私はずっとその

「誰か」を探していた。


そして見つけた。あの日、放課後の屋上でばったり

会った君を見て確信した。

私の夢の中の「誰か」は君なんだと。

私が探していたのは君だったんだと。