「僕以外の人を好きになる予定がなかったら、いいよね?」
「そ、そんな予定は、ないけど……で、でも、高校生の間に結婚するなんて……」
「周りより早く大人になっちゃうね」
その言い方は、なんだかずるい……っ!
元々、好きな人の提案を断れるわけがなかった私は、たじたじのまま頷いてしまった。
話したこともなかった想い人に告白して、OKをもらえたと思ったら、幼馴染だったことを思い出して、来年には結婚の約束まで……。
濃い時間だったなぁと思っていると、お腹がくぅ、と鳴る。
「お腹空いた? 一緒にお昼食べよっか」
「うん……」
かずくんと手を繋いで、私は扉へと向かった。
今はゆっくり時が過ぎて欲しいような、早く来年が来て欲しいような……不思議な気持ちだ。
[終]