く、久我くんが、私のことを、好き……!?

ど、どうして!?




「由香ちゃんは忘れちゃってるみたいだけど、僕達、“初めまして”じゃないんだよ?」


「えっ!?」




久我くんは一歩二歩と私に近づいてきて、顔を覗き込んでくる。

上目遣いになった瞳は、真っ直ぐ私を見つめていた。




「幼稚園の頃、仲良しだったんだ。付き合ってもいたんだけどな。かずくんって呼んでくれてたの、覚えてない?」


「かず、くん……?」




言われてみれば、懐かしさが……?




「屋上に来て、びっくりしたよ。由香ちゃんがいるんだもん。同じ学校だったんだね」


「そう言うわりには、あんまり驚いた顔してなかったような……」




にこっと瞳を細めて笑う顔にドキドキしながら、小さな声でツッコむ。




「あぁ、僕、ポーカーフェイスってよく言われるから」