私に向けられた言葉を聞くのは、これが初めて。

いつも遠くから見ているだけの私の存在なんて、久我くんはきっと知らないだろうけど……。

どうしても、この気持ちを伝えたくなって、屋上に呼び出す手紙を書いてしまった。




「は、はいっ……えっと、私は2年E組の青木(あおき)由香(ゆか)です! 初めまして!」


「……初めまして。どうしたの?」




ぱっちりと目を開いて、小首を傾げる様までキラキラしている。

他の女の子達にだって人気だもん。

目の前にあの久我くんがいるだけで緊張するのは、当然だよね。




「え、えっと……私、ずっと久我くんのことを見ていて……」




あぁ、喉がカラカラだ。




「みんなの中心で笑ってる久我くんが素敵だなって思って、その、運動をしてるところはかっこいいし、みんなに優しいし……」