風に吹かれて、スカートがゆらゆらと揺れる。
とく、とく、とく、と胸の鼓動が聞こえた。
……はぁ。緊張する。
ちゃんと告白、できるかな。
金網越しに見る空は青くて、白い雲がもくもくと山のような形を作っていた。
昼休みになって一番に屋上へ来たから、空っぽのお腹がきゅるる、と音を立てて思わず手を当てる。
お願いだから、久我くんがいる間は鳴らないでよ……!?
あぁ、こんなことなら何か食べておけばよかった、と目を瞑って後悔している間に、カチャ、とドアノブを回す音が聞こえた。
「くっ、久我くん……!」
「これ、書いたの君だったんだ?」
ナチュラルショートの黒髪に、くりっとした丸い目、柔らかい微笑みを浮かべる唇。
アイドル級の顔をした久我くんは、にこっと笑って右手に持った手紙を振った。