いつもみたいに、先輩達と馬鹿みたいなやりとりして。



いつもみたいにひより先輩の言葉で苦笑しながら帰路に着いて。



ずっとずっと、いつも通りの事が、当たり前に続くんだと思ってた。



だから、いざという時に覚えていたい事、覚えてなくて。



先輩がいつも俺達に向けてくれる見慣れた笑顔しか、記憶になくて。



最後に貴女と話した事、交わした言葉は、何ですか?





『幾、どうしたの?元気無いね?』



『ひより先輩…、俺、最近調子悪いみたいで…』



『……』



『先輩たちに迷惑かけないよう、いつも通りにやろうとしてるんですけど、どうにも、それが出来なくて…』



『別に、いつも通りにしなくて良いと思うよ?』



『…どうして、ですか…?』



『だって、人間なんだし、調子悪い時くらいあるでしょ』



『先輩も?』



『もちろん!』





いつだって笑顔で、他人の事に敏感で。



皆を支えて、いつも俺達が欲しい言葉をかけてくれる。