すると、後夜祭の参加者はグラウンドに集まるよう、校内放送が流れた。

(そういえば、グラウンドでは後夜祭の準備がされてたっけ……。生徒会の人たちも大変だな……)

「後夜祭の一大イベントって感じなんだね。……もうすぐその後夜祭も始まるみたいだし、里衣子ちゃんは行ったほうがいいよ?」

「ほんとに参加しないの?」

「……うん。ごめんね」

「ううん! 強制じゃないしね! じゃあ、また明日。気をつけて帰ってね!」

「ありがとう! 里衣子ちゃんは楽しんで!」

「うん!!」

 話し終えると、里衣子ちゃんは走って教室から出て行った。
 もう誰もいない教室。シーンと静まり返り、今日が文化祭だったことを忘れてしまいそうになる。

(さて、暗くなる前に帰ろうかな……)

 私が席から立ち上がり、電気を消して、教室の前の入口から出ようとした時――。