ARIA開店1時間前の19:00。


いつの間にか寝落ちていた俺は自分でセットしたスマホのアラームで目を覚ました。


急いで身なりを整えて店に向かう。


クリスマス前ということもあり、店内は一層賑わっているのだろうと思いながらドアを開けた。


その瞬間、たくさんの破裂音と共に色とりどりのテープが降ってきた。


「「紺炉/要(さん) 誕生日おめでとう(ございます)!」」
 

破裂音の正体はクラッカーだった。


店の女の子と五十嵐組の何人か、そして客までもが声を揃えてハッピーバースデーの歌を歌ってくれている。


まさかのサプライズに驚きすぎて俺は女の子たちにされるがまま一番奥のテーブルに座らされた。


フルーツとドリンクを用意してくれ、彼女たちは仕事に戻って行った。


俺は一人つまみを食べながらいつも通りフロアの様子を眺める。


今年はいつにも増して賑やかな誕生日だ。