想像していなかった、
やりにくい高校生活が始まった。
絵里が同じクラスの中にいるだけで、とにかく気を張って過ごしづらかった。
そんな私にも気付かず、佳代と千春はいつも絵里を羨ましそうに見ていた。
一緒に居ても、２人から感じられるもの。
絵里に近づきたい
もっと仲良くなりたい
人間は
憧れを抱く人に近づきたくなるものだ。
そして近づけた時、そんな自分に誇りを持つ。
私はおとなしくしていないと、絵里にまた全てを奪われるような気がして
素の自分で生きられなかった。
佳代と千春に遠ざかっていかれれのが怖くて
絵里の本性を心の奥に隠しながら、話を合わせて笑った。
私、いつからこんな風になった？
せっかく変わってきていたのに…
せっかく
明るくなれたのに。
今の私は
昔の怖がりで、周りに怯える私に逆戻りしている。
