だけど
高校という新しい場所で、
私は最悪の再会をしてしまう。
入学式の後に発表されたクラス分け。
私のクラスは1年2組。
陸は残念ながら隣の教室の3組だった。
初めて入る教室には窓から陽の光が差し込んでいた。
自分の座るべき席を確認し、
キョロキョロと周りを見渡す。
隣の席に座った女の子と目があい、お互い心細さゆえに微笑み合う。
「名前、なんていうの?」
そのまま話しかけられて、私はドキドキしながら答える。
『あさ美。』
「私は、佳代。よろしくね。」
入学早々の友達作りは大切なんだろう、と今までただ必死になる周りを観察していたけれど
今はその立場にたっている自分がいる。
今まで感じなかったことを感じ、行わなかったことを行う。
不思議な気持ちだった。