その時、私は急にお腹が痛くなって
寒気を倍に感じた。
『先生、お腹痛いんですけど少し見学していてもいいですか?』
「あさ美ちゃん大丈夫??」
絵里ちゃんが整列しながら私を心配してくれた。
「大丈夫?じゃあ藤井さんも教室で静かに待機していなさい。」
先生にコクリと頷いた私は、心配そうな絵里ちゃんの方を見ると苦笑いして
ありがとう、と合図を送った。
ただ冷えただけとは少し違う、キリキリと圧迫されているような腹痛。
この痛みは
予兆だったのかもしれない。
私が、暗闇に突き落とされる。
ガラガラ。
教室の扉を静かに開けた私は
中にいるよっちゃんの背中を見てドキっとした。
振り向いたよっちゃんは慌てた様子で私を見る。
よっちゃんの手には、絵里ちゃんのマフラーが。