「私は引っ越さないよ〜。」
悲しがる私の頬を弥生は笑ってつつく。
「私は頭悪いからA高は無理だけど、いつでも会えるじゃん!かんなだって遊びに帰ってくるし、ね。」
「そうそう。夏休みとか遊びにくるからさ。」
2人の言葉に私は笑顔を取り戻す。
卒業しても
この2人とはずっと友達でいたいと思った。
私が初めて
心から仲良くなれたクラスメートだから。
噂だけで私を避けなかった。
同情じゃない、本物の気持ちをもって接してきてくれた。
お母さん。
私、頑張ってるよ。
不登校だった私が
外の世界を怯えていた私が
今、こんなにも素敵な友達と一緒にお弁当食べてるよ。
人間って
何か些細なことで
変われるものなんだね。
世界が、
変わって見えるよ。