昼休み
「あさ美はどこの高校受けるの?」
誰かとお弁当を食べると、こんなに美味しいのだと感動している私に
かんなが聞いてきた。
『私はA高。』
「すっげー!A高とか私からしたら夢だよ!夢!」
弥生が卵焼きを頬張りながら言った。
『でも私、ずっと学校来てなかったから…内申点を考えるとちょっとキツイんだよね。』
私が苦笑いすると
2人は
大丈夫、大丈夫と自信のある顔で言ってくれた。
『2人はどうするの?進路。』
「私は卒業したら九州のおばあちゃん家に引っ越すんだ。」
かんなの言葉に私は驚いた。
『…そうなの?』
「うん、親の仕事の都合でね。」
『そっかあ…』
せっかくできた友達なのに、卒業したら離ればなれなんだ。
今までそんなこと考える必要のなかった私には
突然のショックだった。