次の日の朝
朝食をとりながら昨日の陸の様子を綾子おばさんに話すと、
おばさんは笑いながら
「それはきっと、陸くんはあさ美ちゃんのことが好きなのよ。だから同じ高校じゃないって知ってショックだったのね。」
と言った。
私は、ないないと笑って答えた。
だけど、登校中
学校の門の前で元気よく私に挨拶してきた陸は
「あさ美!!俺、決めた。俺もA高受ける!」
なんてことを言い出した。
『なに〜?朝から…』
「昨日、塾の申し込みしてきた。絶対お前と一緒に受かってやるからな!!」
『ちょっ………陸…』
猛ダッシュで校舎の中へ駆け込んで行った陸は
犬そのものだった。
陸が…私と一緒にA高?
考えもしなかった私たちの進路。
陸とは今までずっと一緒だったし、
クラスが違うから話さない日も多いけど
いつも私から離れないでいてくれたね。
もし一緒にA高に行けたら、
ちょっと嬉しいかも。
いや、
かなり嬉しいかも。