『私、A高受けるつもりだよ?』



「えー!!!!まじで言ってんの!?」



陸は泣きそうな顔になって、私の腕を掴んだ。



『痛っ…!だから大きな声出さないでってば。』


私が困ったように笑うと、陸は
まじかよ〜と頭を抱えた。



「なんでいきなりA高なんだよぉ?」



眉をひそめる陸。


『裕平くんが、あさ美ちゃんなら頑張ればいけるって言ってくれたから…』


「裕平くん?」


『うん。勉強教えてくれてる、そのS大生の人。』


「え!??男なの!?」




陸はまたまた大きな声をあげた。


『そう…だけど…?』




「どんな奴?男前?あさ美のタイプ?」




『もう陸っ!近い!!』




陸は慌てた様子になった後、しょんぼりしていた。





『陸?なんなの?一体………』




私が顔を覗きこもうとしても、陸は
何でもないよ、ごめん。
としか言わなかった。