「方向違うけど、途中まで一緒に帰ろうぜ。」


陸の笑顔はいつもニヤニヤして見える。


『ごめん。私、おばさんの喫茶店で勉強するから…』


「そうなの?じゃあ俺も行く!」




母が死んだ時
駆けつけてくれて、ずっと手を握ってくれていた陸とは別人のようだ。


陸はまるで犬みたいに私にくっつく。



『来てもいいけど、私勉強教えてもらってるから陸の相手できないよ?』


「え?教えてもらってるって…誰に??」



『おばさんの紹介でね、S大生の人。』




「えー!!S大!?」



陸は立ち止まり、驚いた顔をした。


『うん…てゆうかいきなり大きな声出さないでよ、もう。』



私が陸の肩を叩き、微笑すると

陸は再び私の隣にひっついて歩く。



「あさ美…俺と同じ高校だよな??」



陸は何を心配したのか、少し不安そうに聞いた。


陸が言っている高校は、私が元々行こうと思ってた高校のこと。