「いつも一人で勉強してるよね。私も最近、受験勉強始めてさ……。良かったら一緒に勉強してくれないかな?」
………………え?
まじ?
突然のことに私は動揺する。
『……えっ…と〜…なんでいきなり私と?』
私がシャーペンをくるくる回しながら聞くと、
内田さんは笑って答えた。
「ずっと思ってたの。藤井さんって強い人だなって。ずっと声かけたかったんだけど…なかなかタイミングが掴めなくて………卒業まであと少しだけど、友達になろうよ。」
『友達?』
今まで、“友達”なんてものが
どんなものかも知らずに
一人で学校生活を送っていた私は
これはまさか何かの罠ではないのか、と疑うことしか頭に浮かばなかった。
だけど、その疑惑はあっさり消されてゆく。
「かんな〜ごめん、トイレ行ってた。藤井さん、教えてくれるって?」
横から走って近づいてきたのは、内田 かんなの友達の岩崎 弥生。
活発で、体育会系な女の子だ。