次の日、
この日私は学校で久しぶりに誰かと会話をした。
久しぶりというか、学校の中でこんなに人と上手く話せたのは人生初かもしれない。
「藤井さん、良かったらこの問題教えてほしいんだけど…」
昼休み、周りにバリアを張って黙々と勉強している私に
クラスの女の子が話しかけてきた。
『…え…私…?』
「うん。藤井さんよく勉強してるから……分かるかなって思って。」
その子は
内田 かんなと言う名の小柄な女の子で
クラスの中でも大人しい方だった。
その子は一人なわけではない。
私と違って、一緒にお弁当を食べる友達もちゃんといるし、仲の良いの相手と話しているときはよく喋りよく笑う。
誰とも関わりのない私に突然話しかける必要などない人が
どうして?
両親の事件のこともあり、周りに避けられていた私に近づく理由が分からなかった。