目を覚ますと店には一人も客はいなくて、
窓の外は真っ暗だった。
「起きた??」
肩にかけられてあったブランケットを見て、おばさんがかけてくれたのだと気付く。
『ごめんなさい…私寝ちゃってた…』
「ちょうど今終わったところだから、一緒に帰ろうか。」
私は頷き鞄を持って、おばさんと一緒に喫茶店を出た。
11月の夜の風はとても冷たく
空には綺麗な月が輝いていた。
「おばさん思うんだけど、あさ美ちゃん最近変わったわよね。」
おばさんが笑ってそう言うから、私は首をかしげる。
「なんか…………明るくなった。」
『そう……かな?』
「あさ美ちゃんがあんなに人と楽しそう接してるの初めて見たわ。裕平くんに勉強を教えてもらうようになってからよね、明るくなったの。」
私は照れた顔を見られるのが恥ずかしくて、月を見上げる。