11月に入り
朝と晩は肌寒い風が吹くようになった。
学校では、
私は相変わらずで周りとの接触もなくただ受験勉強に励んでいた。
裕平くんに勉強を教えてもらうようになってから
少し、勉強が楽しくなった。
放課後を思えば、学校で過ごす時間なんてあっという間で私は孤立の道を自ら楽しんでいるみたいだ。
今日は裕平くんに勉強を教えてもらう日ではない。
だから一人で
裕平くんにやっておくように言われている問題をやろうと思い、綾子おばさんの店へ向かった。
A高を目指すと決めてから、私の頭の中はガラリと変わった。
もし母が生きていたら
こんなに勉強に没頭する私を何て言うだろう。
母は人一倍優しかったから、私の頭をくしゃくしゃに撫でてほめてくれるだろうか。
明らかに今の私は、不登校だった時の私と違っていた。