『じゃあ、おばさん。私先に帰ってるね。』
カウンターに立つおばさんに一声かける。
「俺、送っていくんで。」
『え!いいよ!!すぐそこだし、一人で帰れるから…』
「だーめ。もう暗いから。」
私と裕平くんのやりとりを聞いた後、
おばさんは
よろしくね、と裕平くんに言って仕事に戻った。
カランカラン。
外に出ると
少し早めの秋風が心地よいくらいに吹いていた。
隣に歩く裕平くんは、4つ年上なだけでかなり大人に見えた。
頭も良く、性格も温厚で
大きな建設会社の跡とり息子。
なんでこんなにも世界の違う人と私が並んで歩いているのか…
不思議だった。
綾子おばさんや、陸以外に
こんなに誰かと話したのは本当に久々だ。